財務省が全国の企業を対象に実施した人手不足に関する聞き取り調査の結果が昨日発表されました。
大元のデータは、こちらから見て頂いたほうがいいと思いますが、ざっくり言うと、こういう事です。
・製造業で人手不足感あるのは47%と5割を切ってるが、非製造業だと75%を超えてます。
・一番の悩みは「募集をかけても集まらない」
という事。ここ最近ずっとこの傾向が続いていまして、なかなか改善されません。仕事、選び放題の世の中ですからね。景気がずどんと悪くなったらまた状況は変わるかもしれませんが、少子化の影響もあるので、またちょっと読みづらい状況ではあります。
ヒアリングで聞かれた企業の声で、人材不足感の強い職種はというと、
・水産加工場は若者に不人気でパートが不足
・新製品開発、改良の為のエンジニアが慢性的に不足
・専門職や職人が不足
・早朝、深夜の人材が不足
・介護系人材が不足
・ホールスタッフの同業他社への転職や調理人引き抜き、独立開業で人手が不足
そして、集まらない理由としては
・飲食では、深夜長時間・過重労働のイメージで敬遠される
・営業は、土日出勤や厳しいノルマのイメージで敬遠される
・労働環境や条件が業界や同業他社に人が流れてしまう
・専門職系や特殊知識、経験を持っている人材の取り合いが激化。
というわけで、まとめてみるとこういう事だと思います。
・今、仕事を探している人も、現職の人も、常にいい職場はないか?独立開業できないか?考えて行動に出ている。
・条件が明らかに悪い&厳しい条件なのに得られる対価が少ない(要するにわり合わない)仕事は確実に敬遠される。
・イメージが悪いと敬遠される
という事ではないかと考えます。僕的には、今に始まった話ではないと思っています。正直、今までは条件が悪くても、まぁしかたないかなという感じで仕事を選んで働くという方が多かったように思いますし、求人に関しても、とりあえず何か出しておけばある程度応募者は集まっていましたから。
でも、飲食・介護・営業(ノルマの激しそうなイメージの業界)や専門職の採用難はもう10何年前からもずっと言われていた事ですし、実際、効果が出にくい業界でもありましたから、完全に、やり方・方法・広報活動から、人材を大事に活用するという(会社のファンにしていく)という点があまり変わっていないのではないか?という事が原因かと考えてます。
じゃあ、どうすればいいかと?
一つヒントがあるとすれば、我々広告業界。
広告業界の中でも、所謂電通さんや博報堂さんのようなPR系を主にやっている所ではなくて、やれ求人広告を売ってこい!的な所謂求人広告代理店。人材(特に営業)の出入りが割と激しい業界ですが、それほどひーこら言ってはいないと思います。蓋を開ければ、おそらく人気のない業界の方よりもずっと業務をしている時間は長いですし、休出もありますし。あれこれ労働的な問題になっているにもかかわらず、恐らく新卒採用ではエントリー数はそれほど今年も減らないでしょう。
これって、おそらく完全に「今まで作り上げられてきた業界イメージ」っていうのが一番でかいかもしれません。人間、案外イメージで動いたりイメージで安心したりしてしまうものだと思います。不人気といわれる業界でも、実際に入ってみたら「こんなにいい職場はない!」という方なんて、僕らおなかいっぱいになる位見てきましたから。であれば、今からでも遅くないので、
「この会社で働きたいと思わせる為の継続的なPR」
「この会社、辞めたくないなぁと思ってもらう為の具体的な社内での方策」
これらが必要になるかと思います。
正直、人を集める為だけの施策は限界がありますので。
↓明日から開催!
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