今さら聞けない!?「RJP理論」を採用のシーンで活かす「ありのまま」作戦

RJP理論ってご存知ですか?

「Realistic Job Preview」の略で、日本語に訳すと、「現実的な職務予告」と言います。

求人情報に関して言えば、会社のいいところもわるいところも全部つつみ隠さず伝えますという話で、求人広告として実装しているのが「はたらいく(せきらら求人)」「エン転職(取材担当者のコメント)」くらいでしょうかね。


基本的に求人広告は「他社よりもよく見せたい」「いい会社だと思われたい」というように、色をつけて出す事が割と多いです。広告枠の関係で文字数がぜんぜん足りない場合はキャッチコピーでなんとかしてはいますが、だいたいこんな感じ。

そりゃあ、ある意味リスキーだとは思いますよ。厳しい事を先に提示するというのは。

ただ、それでも応募してくるっていう時には採用マッチング度合はかなり高いものになります。なので、こういう事をするときに僕は「応募数少なくなるけど、マッチング度合のたかい人はくる可能性高いです」とお話して、広告の書き方をチョイスして頂いてます。


で、このRJP理論においては、

① ワクチン効果

要するに期待値調整。入社後の失望・幻滅感を軽減する効果。

②スクリーニング効果

より正確な自己判断をしてもらう効果

③ コミットメント効果

不都合な真実もつつみ隠さず出す事によって、逆に信頼を獲得していく効果

④役割明確化効果

自分が会社に何を期待されているかが分かりやすいので、自分自身で目標が設定しやすく、仕事への満足度や意欲の維持や向上につながる効果

以上4つの効果があると言われております。


要するに、

「自社のありのままを伝えて、ありのままに採用活動しようぜ」

っていう事です、RJP理論っていうのは、簡単に言うなら。

もちろん、ポイントとしては「ネガティブだけ、ポジティブだけっていうそういうのはあかんよ」ってう話。本当にこれだけ。でも、これが出来ていないんですよね、だいたいの企業さん。何故かといったら・・・

・求人広告代理店が忖度して、なるべくポジティブ寄りに求人広告を作っちゃう。

・人事担当者も、なるべくネガティブは避けたいから、ポジティブ寄りにオーダーしちゃう。

・経営者が「なんでうちの事をこんなネガティブな事書くの?やめてよ」って思っちゃうから、なんとかして盛っちゃう。そしてみんなで忖度。

ってなるから、もうそりゃしょうがないという話。これがおそらく現実でしょう。

ポジティブとネガティブ両方の情報のバランスがよいと、やっぱり効果がよいようです。某クライアント様で、はたらいく(せきらら求人オプション付)で原稿を作って出した際、正社員採用で割と成功しましたからね。しかも飲食業界で。なので・・・

おそらく採用担当の方的にはすごく勇気のいる事だとは思いますが、

忖度せず、自社のありのままをちゃんと伝えて採用広報してみませんか?

効果、あると思います。





ちなみに、これを書くときに真っ先に頭に浮かんだのは、求人広告業界ではおなじみの、「シャクルトンの広告」が出てきます。これなんかRealistic Job Previewの最たる例です。

検索したら、もうめっちゃこの情報が出てきます。引用すると、

MEN WANTED for Hazardous Journey.
Small wages, bitter cold, long months of complete darkness, constant danger, safe return doubtful.
Honor and recognition in case of success.Ernest Shackleton

ざっくり訳すと、

男子限定で、めっちゃつらい旅で、あんまり稼げないし長い間極寒で暗黒の日々だし命の保証はないけど名誉と称賛は得られるよ。アーネスト・シャクルトンより♪

って事。

こんなむちゃくちゃな求人にも関わらず5,000名くらい応募が来たよという話ですがね、実は残念ながら、この広告が本物だよっていう証拠、ないんです。こんな広告なんか出してなんかないよという話もあります。

あぁ、この世界最古の求人広告と言われてたものが、ちゃんと事実として存在してまして応募数もすごかったんだよって胸を張っていえれば、このポストもすごくきれいに終われたのになぁ。でもまぁRJPに関しては米国とかでRJPの採用理論を提唱した産業心理学者であるジョン・ワナウス氏(John P. Wanous)がある程度効果があるよって実証したので、まぁそっちを採用しましょう。


とはいえ、お金をかけるのはクライアント様方のジャッジメントですから、そこに関してはアーネスト・シャクルトンばりに、「冒険」になる事は間違いないですが、効果が爆発したら「伝説」になりますね。どう?やってみません?



プロデュースのご依頼は、新美まで。

新美P@RICTEC by 飛竜企画

2002年4月に新卒入社。Web戦略・クリエイティブ・ブランディング・求人,PRに限らず様々な人材集客手法などに精通。当時から「求人広告の限界」を察知し、求人広告+自社 求人メディアの立ち上げ運用や、最新のSEOや検索状況に基づいた求人コンテンツ設計など様々な業界・規模の企業の採用設計・コンサルティング・プロデュースを行なっている。

求められ、評価していただける世界にどんどん行きます。

0コメント

  • 1000 / 1000